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乳酸発酵で美しきしば漬け

地域地域で風土に合わせて作られてきた漬物。

「保存」のためではあるけれども、漬ける過程の中で「美味しさ」も「栄養素」も増えていきます。素晴らしき加工食。

なのですが、一般に売られている漬物ってどうしていろいろな調味料が過多なのでしょう。販売するのに扱いやすかったり、販売価格を低く抑えるために必要なのかもしれませんが、ちょっと悲しい。途中のコストや手間を抑えるために保存料や味わいを似せるための調味料、色味や食感よくするための化学薬品など加えられて本来のものとはまったく違う食べ物になっています。

まずは商品を買う側が、安いものにだけ手をのばさず、食べ物が作られる過程のコストや手間を考えて、何を買うか選べるようにならなくては。

 

もとは京都・大原あたりが発祥のしば漬け。今はいろんな形で売られています。共通するのは赤紫色しててちょっと酸味がある、くらいでしょうか。

本来は暑い夏に、茄子と紫蘇を塩だけでつけたもの。

樽に素材を入れて重石をしっかり。食材についていたり、空気中に漂っていたりした乳酸菌さんたちが活発になる夏の温度で発酵が一気に進みます。で、酸味がしっかり出てくると漬け樽の中は酸性に。紫蘇の色素アントシアニンは酸性になると赤く変化するので、美しい色に染まっていくのです。さらに、酸性になることによって不要な微生物が活動しにくく長く保存ができます。夏の暑いうちにお野菜をたっぷりつけておき、冬の野菜が少なくなる時期に食べている。長く培われた知恵ですね。

 

今年は久しぶりに漬けてみました。

わさわさな紫蘇の葉。よく洗って水分をとって、揉まずにこのまま使います。

新潟県長岡市の丸なす。

奥に見えるのは30cmくらいの大きさになったきゅうり。種の部分は除いて使います。

 

<材料>

・茄子

・きゅうり

・赤紫蘇の葉(野菜の3〜4割の重量)

・塩(野菜の8%程度)

今回、新生姜やミョウガなどは入れていません。

 

野菜と紫蘇、塩を重ねながら入れていき、最後は蓋のように紫蘇と塩をのせ2倍以上の重石をして置きます。2日目くらいからいい香りがしてきました。上がってきた水の色味はまだ黒っぽい紫蘇色。

4日目、液体の色は赤みを帯びていて、少し取り出してみるといい具合の色、いい香り!!

以前、冷蔵庫でゆっくり発酵させようとして上手くいかなかったこともあるのですが、本来のやり方に習ってみたら大成功。

体調悪い時なんかに乳酸発酵食品食べたくなります。お腹が欲しがっているのかなぁ。