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おいしいお皿講座「実山椒」 2017年6月

日本独特なスパイス「山椒」。清涼感のある香り、ピリリとした刺激。新芽、花、未熟な実、完熟の実、成長段階や使う部位によって表情も違います。楽しめるのは、ほんのわずか、この時期だけ。

こういう食材ってわくわくします。

講座と山椒の青い実がちょうどよく成長するタイミングが合うかドキドキしながら過ごしました。ありがたいことに良いサイズになりました!

中国の花椒との違い、未熟な花椒、日本の実山椒の乾燥したもの、そして山椒の種の香り、味の差異を見ていただきました。

 

どの食材もそうですが、下ごしらえについていつも悩んでしまいます。

わらびのあく抜き、青菜を茹でる時のひとつまみの塩、れんこんやごぼうを酢水に浸すこと、人参の皮むき…人によってやり方が違ったり、そもそも本当に必要な処理なのか、どうしてその過程を行う必要があるのか、どういう変化をしているのか。

自分が食材を扱う時に、理屈が分かっていない作業が入るのは気持ちよくないものです。

料理って「化学+愛情!!」なので、まずは大前提の部分がわかっていないとゴール地点が大きくぶれちゃいます。

 

ということで実山椒の下ごしらえの仕方をいろんなやりかたで比べてみました。茹でて→水にさらすのですが、人によりそれぞれの時間が様々。どのくらい差があるのか、どこに手間をかけるべきなのか。

ちなみに下ゆでの前に小さな枝を取る必要はありません。茹でた後の方がぽろぽろ取れやすいですよ。

茹で時間2パターン(A:再沸騰したらざるに上げる、B:指で潰れるくらいまで茹でる)×水につける時間3パターン(a:茹でたのをさっとだけ水にさらす、b:3時間さらす、c:一晩さらす)の組み合わせ6通りの下ごしらえと生のままのものを比べます。

実際に手にとってもぐもぐ。・・・びりびりしびれる〜! この写真だとわかりにくいですが、色味もかなり違います。

綺麗な色を保ちつつ、山椒独特の刺激や香りも残して、この後さらに佃煮にしたり、加工をすることを考えると、下ごしらえは短時間だけ茹でてさっと水にさらす程度で良さそう。

長く茹でると色味が悪くなるし、一晩も水にさらすと味が抜けちゃう(でもピリピリ刺激はそれほど変わらない)。

実際に実験してみると楽しいなぁ。

 

今回つくったお料理たち。

 

ジャガイモと合わせたごはん。刺激的なかおりをデンプンの丸さで包み込んで。

香りのある葉野菜と親和性のある柑橘類と。(山椒はミカン科です)

このソースおいしい!!!

参加者の方みなさん気に入ってくれた山椒と長ネギのソース。

サルサに使ったり。

土の香りのごぼうと合わせたり。

前回、リクエストのあった麻婆豆腐を実山椒で。特別な調味料や出汁がなくても美味しく出来るんですよ!

炒め方やちょっとした下ごしらえが大切です。

アジアのフルーツの食べ方の実山椒アレンジ。

薬味的なものを主役にお料理を考えるのって面白い。山椒って合わせてみるといろいろなものと馴染むのだなぁ。

 

次回7月は「バジル」がテーマです。

http://www.cheese-school.jp/wordpress/cooking/asara201707.html